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トロンプルイユ
[歌詞]
トロンプルイユという言葉を知っているでしょうか。簡単にいうと目の錯覚を使った騙し絵、つまりトリックアートのことです。
今作のテーマは、「眠れない夜」について。僕の個人的な問題として、ずっと立ちはだかってきたものです。不安や寂しさ、自己嫌悪などに苛まれることはきっと誰しも経験があるでしょう。
この曲の制作期間は、特にそれらが酷かった時期に思えます。全てを投げ出してしまうくらいなら、気休め程度にでもこの夜をどうにか誤魔化せないものかと考えました。
トリックアートのように、最低な夜の見え方が少しでも変わりますように。綺麗事のようですが、夜を越えるために自分を騙すことも時には大事なことです。変な話ですが、僕自身もその事をこの曲に教わった気がしています。
[音楽]
実は曲の原案は数年前からありました。当時から、異なる曲調が混ざり、一つの曲として成り立っている不思議な曲でしたが、扱い方が難しかったのも事実。大切に温めていました。
音数が少なくマイナーなセクションと、華やかでアッパーなセクション。それらが交互に組まれる展開は、どこか不気味で不安定にも感じます。
これらを「トロンプルイユ」という一曲にまとめるのは想像以上に至難の業でした。打ち込み感の強いビートを混ぜたり、ホーンセクションを入れたりと異種格闘技のような編曲ですが、最終的には絶妙なバランスで共存させることができたと思っています。
アウトロのギターソロは、言葉など必要では無いほど、主人公の感情が乗った素晴らしいものになっているはず。あまり考えすぎず直感で聴いてくれたら、逆に伝わるものもあるような、そんな一曲になりました。貴方のしんどい夜を誤魔化すお手伝いをさせてください。
坂根涼太 (Vo./Gt.)
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